.

| Sun Paper Group

東方に輝くSun-原料の自製をめざして

13億人が生活する中国では紙の消費量が急増しています。その製紙産業の成長を阻む最大の要因、それが原料不足です。ここで今、少ない原料を有効に使うアンドリッツの技術が貢献しています。

「両社の協力は、建設的、プロフェッショナルで、そしてなごやかでした」。
Sun Paper Group 工場次長兼主席技師Ying Guangdong氏。

中国では、2010年までに、200社以上の企業がそれぞれ年間100,000トン以上の紙を生産すると予測されています。その合計は8千万トンに上り、これは、世界の7大製紙会社の総生産量に匹敵します。

紙の生産量が増加するのにともない、中国は、輸入パルプへの依存度をますます高めています。3年前、中国は自国の製紙工場向けに約2,500万トンのパルプと古紙を輸入していましたが、今後も輸入量は確実に増加するでしょう。同時に、国内のアシ、竹、麦ワラを原料としたパルプ生産量も増加すると予想されています。また、国内の植林木からのパルプ材に加え、輸入木材チップやパルプ材を使って、自国内で生産する木材パルプの量も増加すると見られています。

top 製紙原料の自製を目指して

山東省兖州(Yanzhou)の製紙メーカー、Sun Paper Groupはパルプの自製を目指しています。同社は抄紙機22台(23号機を建設中)で、年250万トンの紙を生産しています。その原料の一部(10万トン)は、アンドリッツの納入した、1系P-RC APMP製造ラインでまかなわれています。また同社は、1系製造ライン稼動直後の2008年3月、引き続いてこのラインのほぼ2倍の能力を持つ2系P-RC APMP製造ラインを発注しました。

top 広葉樹へのP-RC APMP

P-RC APMP(アルカリ・過酸化水素機械パルプ化)プロセスは省エネルギーで、しかも、広葉樹から高品質のパルプを生産することができるため、アジアに多いポプラ、またユーカリ、アカシアなどの熱帯広葉樹のパルプ化に理想的で、まさに中国市場に最適のプロセスであるといえます。P-RCは、チップを薬品で前処理するプロセスで、従来のような後段漂白を伴うBCTMPプロセスと比べ、電力消費を大幅に低減できます。アルカリ・過酸化水素の添加を、チップの前処理と次工程の一次リファイナーとに分割して行うことにより、薬品原単位が改善され、パルプの光学特性と強度特性を向上させることができます。

前処理工程では、アルカリと過酸化水素を効果的に添加してチップに含浸させたのち、チップビンで短時間反応させます。

前処理されたチップは、加圧型高濃度リファイナーにより単繊維化され、ここでアルカリと過酸化水素が再度添加されます。そののち、パルプは、高濃度漂白タワーを経て洗浄され、スクリュープレスで脱水されます。このプロセスにより、印刷/筆記、LWC紙、液体用容器、その他の白板紙に適した、高白色度パルプを生産することができ、通常、それ以上の漂白処理は不要です。

top めざましい成長

「2010年までに、工場の年間紙パルプ生産量を350万トン、年間売上高を200億人民元(22億ユーロ)にし、原料の大部分を自給することが目標です」と、Sun Paper Group 工場次長兼主席技師Ying Guangdong氏は語ります。

会社は急速に成長しています。「Yanzhou Fulou製紙工場は、1982年3月に、資本金30,000人民元(3,279ユーロ)、従業員30人の片田舎の工場としてスタートしました。その後成長を遂げ、1994年、Shandong Sun Paper Industry Group Companyとなり、2000年には再編し合資会社になりました。現在、Shandong Sun Paper Industry Joint Stock Co., Ltd.の年間生産能力は250万トンに達しています」と、Ying氏は説明します。

Sun Paper Groupは、製紙工業、薬品工業、貿易、発電事業、研究開発、植林業を統合し、Shandong Sun Paper Co.、Shandong International Paper & Sun Coated Paperboard Co.、International Paper & Sun Cartonboard Co.の3社に出資しています。Shandong Sun Paper Industryは、中国で最大の民間出資、民間運営の製紙会社であり、最大の高級化粧箱用塗工板紙製造会社です。Sun Paper Groupには、7,000人以上の従業員がおり、その紙と板紙製品は中国全域で販売され、今では東南アジア、アフリカ、アメリカの20ヶ国以上に輸出されています。

Sun Paper Groupでは、NBKP、LBKP、APMP、ワラパルプ、輸入古紙など、様々な原料を紙の生産に使っています。「これらの原料は、紙および板紙の各品種に合わせて使われます。工場近郊に、APMPラインに使用できる豊富な木材資源があり、そのなかで最も重要な原料がポプラで、 APMPに最適です」と、Ying氏。

Sun Paperは、兖州(Yanzhou)工場向け1系APMP製造ラインの契約の際、設備の引渡し前からAPMP市販パルプの購入量を削減し始めました。「プラントのスタートアップは大成功で、1週間で品質と生産量の目標を達成しました。ラインは連続操業され、生産したパルプはすべて抄紙機に供給することができました」と、アンドリッツのプロジェクトマネージャー、 Manfred Fitzは振り返ります。

「スタートアップから3週間で、調整と最適化を行い、最終目標性能を達成したのです」と、Fitzが言うと、Ying氏は、 APMPプロセスの柔軟性について「生産能力が高く、運転効率も非常によいことから、ますます需要の拡大が見込まれる中国市場にぴったりです」とほめます。

top 排液処理のエバポレーター

Sun Paperでは、必要とする紙の特性を得るために、APMPパルプを他の異なる原料(輸入古紙からの脱墨パルプ、クラフトパルプ、その他のメカニカルパルプ等)と配合しています。以前は、他のAPMP工場からパルプを購入していましたが、今では、その一部を自社で生産することが可能です。設備投資の一環として、排液処理と水の再利用のために エバポレーションシステムが必要となり、アンドリッツの新しいMVRエバポレーションシステム3基の導入を決めました。

機械式蒸気再圧縮(MVR)技術は、コンプレッサー(低速ターボファン)を使って気化した蒸気の圧力を上げます。これにより、蒸気をプロセスの加熱媒体として利用することができます。また、MVRエバポレーターは、溶解固形分と、アルカリ薬品が溶け込んだAPMPプロセスの排液から清水を回収します。このようにして処理されたエバポレーターのコンデンセートが、APMPプロセスに再利用されることから、全体的な水の消費量が大幅に削減できます。排液残渣は更に濃縮された後、焼却されます。アンドリッツは、プロセスからの臭気ガスを集めて処理する脱臭設備も納入しました。

Sun Paper GroupのMVPエバポレーションユニットは、中国において、排水処理システムに使用された初めての事例です。「このエバポレーションシステムを導入した結果、目標とするゼロ・エミッションに役立つ条件がひとつ整いました」と、Ying氏は強調します。

「当社には、嫌気性、好気性、生化学、物理化学的処理を順次用いる排水処理プラントがあります。最終処理後のCODは80mg/l以下で、各処理段の排水は、業界の環境基準を既にクリアしています」と、Ying氏は言います。

top そしてオートメーションも

大規模なグリーンフィールド・プロジェクトの場合、設備間(調木設備、チップ製造・貯蔵設備、ファイバーライン、エバポレーター等)のインターフェースにも留意せねばなりません。それらすべてを1つの制御システムに統合して、短時間の運転立上げと連続運転を実現することがSun Paperの目標でした。

「生産監視機能によって、複数のシステムを制御することが可能であるため、私たちは、アンドリッツの分散型制御システム(DCS)を選びました。これは、他のシステムとのインターフェースが非常に効率的です。いろいろなシステム制御をすべて理解して、最適な方法を提供してくれました。もちろん、わが社のオペレーターが、頻繁にまた建設的にアンドリッツと情報交換したことも大きく役立っています」と、Ying氏は評します。

top お客様の声をよく聞いて

「兖州(Yanzhou)工場でキックオフミーティングを行った時から、いかにしてSun Paperの目標を実現するかについての詳細な検討が始まりました。できるだけ早くスタートアップしたいとの要望を汲んで、基本計画を一緒に練り上げていきました。オープンで率直な話し合いを通じて、決めるべきことを決め、確定設計仕様書に取り入れました」と、アンドリッツのFitzは説明します。

「両社の協力は、建設的、プロフェッショナルで、そしてなごやかでした」とYing氏は振り返ります。「あらゆる疑問や問題についてお互いに意見を交換し、無理なく確実で満足のいく結論に至りました。このような協力関係があったからこそ、成功裏にスタートアップすることができたのだと思います。また、機器の早期納入にも協力してくれたので、プロジェクト全体の工期短縮ができました」。

どのようなプロジェクトでも、技術的な問題や課題があります。兖州(Yanzhou)工場のAPMPラインの場合は、1次リファイナーにわずかな振動が発生するなど、いくつかの問題がありましたが、早々に解決されました。「全体を通じた印象として、アンドリッツは優秀なサービス・グループを持っていますね。対応も早く、効率がいいなと感心しました」と、Ying氏。

top さらなる原料自製へ向けて

現在建設中の新たな2系P-RC APMP製造ラインの生産能力は200,000t/aになります。据付け工事が1月に開始され、スタートアップは2009年5月の予定です。「これによって、グループのAPMP生産量は、現在の100,000t/aから、一挙に3倍の300,000t/aになります」とFitzは言います。原料となる木材を処理するアンドリッツ製のディスクスクリーンとチップスクリーンも導入されます。

Ying氏は付け加えます、「新しいラインが稼動すれば、当社の紙と板紙生産用の市販APMPパルプ購入量はさらに減ります。その上、当社の紙の品質基準を満たすパルプを自製することができるということです」。

Sun Paper Groupでは、化学パルプ生産のプロジェクトも進行しています。アンドリッツは、兖州(Yanzhou)工場に、ファイバーラインシステム、薬品回収設備、ウッドヤード設備(チップ受入設備、リクレーマー、チップスクリーン設備)を納入します。「当社は、同時並行で、パルププラントと発電プラントをラオスで建設しているのですよ」と、Ying氏。Sun Paperの発展は留まるところを知りません。そしてアンドリッツは、そうしたお客様のために、技術とサービスを提供していきます。


ページトップへ
検索
 

お問い合わせ
および関連情報

ANDRITZへのお問い合わせ